あれ…?なんか騒がしい。ちらりと体育館の外を見ると、人がずらずらと……。

「あーもー、こんなつもりじゃなかったんだけど…」

「…お久しぶりです」

「黄瀬涼太!!」


ワンコ君を囲む女子ギャラリー…モデルも大変だねぇ。


「…なっ、なんでここに!?」

「いやー、次の相手誠凜って聞いて、黒子っち入ったのを思い出したんで挨拶に来たんスよ。中学の時、一番仲良かったしね!」

「フツーでしたけど」

「ヒドッ!」


さっきも見て思ったけど、あまり変わってないなーワンコ具合が。いいように弄ばれている。


「あ、黒子先輩!さっきはなんで逃げたんスか!?」

「だって黄瀬君と関わるとろくなことがないんだもん」

「姉弟そろってヒドッ!」


高校ではあまり目立ちたくない。でも、さっきので思いっきり目立ってしまったけど……。

部員の誰かが雑誌を持ってきて黄瀬君のページを見ている。その雑誌、テツ君が載ってないから捨ててやったわ!!!プソプソ!


「中二から!?」

「いや、あの、大げさなんスよ、その記事、ホント。キセキの世代って呼ばれるのは嬉しいけど、つまりその中で俺は一番下っぱってだけですわ〜」


確かにワンコ君はよくいじられてるって、テツ君に聞いたらそう話してたなぁ……。

思い出していたら嫌な記憶も開けてしまった。頭を横に振って目の前を見る。どうやら、血の気が多いかがみんがワンコ君に吹っ掛けたらしい。


「これが……キセキの世代。黒子、オマエの友達すごすぎねぇ!?」

「あんな人知りません」


黄瀬君を見つめながらテツ君はきっぱり言った。私が最後に見たのは……そんなに古くないけど、進化してる。前より、ずっとずっと。

姉弟そろってヒドッ!




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