人、人、人!スクランブル交差点に負けないくらい人混みが半端ない!


「すんげー人……」

「おーい黒子ー、ちゃんとチラシ配れー」

「ていうかなんで私がバスケ部のチラシ配りしなきゃいけないの!?あくまで仮入部だから!」

「しかし……黒子がその格好してるとアレだな」

「コーディネートはこうでねえとってやつか」


ドヤ顔で言う伊月に「違うから」と冷静にツッコミを入れる私。私、黒子セツナは今…チアガールの格好をして、ビラ配りです……。


「うぅ……なんで前髪あげなきゃダメなの!?」

「あのもっさい髪じゃ部員も集まらねえだろー」

「何ちょっとつっちー笑ってんだよ!!」

「バスケ部ってお前らか?」


突如、上から降ってきた言葉にみんなが注目する。そこには赤髪で目つきが悪そうな虎がいた。


「そ、そうだけど…?」

「バスケ部に入部したいんだけど」


目をつけられたのはコガ…私は忘れないよ、小金井。心の中で両手を合わせると虎はコガを連れて行った。


「ありゃりゃ、コガが拉致られたね」

「御愁傷様…」


ん…?今、目の端によく知ってる顔を見たぞ…?伊月に「不細工な顔がさらに不細工になってるぞ」って指摘されたが知らん。


「ごめん、伊月!私の分もお願い!!」

「うわ!ちょっ、黒子!?」

「戻ったら頬に熱いキスをしてやるから!」

「いらねー!!」


こうなったら意地でもちゅーしてやる…!密かに闘志を燃やしながら走って走って走って。



「テーツ君!」

「……姉さん」

「反応うっすー!つまんねえなーテツ君は」

「すみません、姉さんの格好のアホさについ……驚きすぎて」

「仕方ないじゃん!きゃっ…客寄せ……パンダ?みたいなもんだし!」

「客離れしますよ、姉さんの格好」


相変わらず淡々と毒舌を吐く我が弟。誰だよ、こんな奴を合格にしたのは!!


客寄せ……パンダ?




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テーマ「人外ファンタジー」
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