2013/10/11 17:38


うそとまこと2
男の子と渚

僕こと葉月渚は、岩鳶高校の生徒であると同時に、葉月家に代々伝わる退魔師、12代目の跡取りだ。

お姉ちゃんが三人いるけど、世継ぎは男の子しか駄目らしい。だから僕は周りからとても大事に育てられてきた。

そんな末っ子の僕は、ウソちゃんという霊を拾った。うーん、拾ったっていうより……連れて帰って来ちゃった、かな。

不思議なことに家族から何も咎める声が上がらなかった。ウソちゃんは僕にしか見えないのだ。

退魔師である僕は、ウソちゃんを成仏させなきゃいけない。ウソちゃんと出会って5年目となる6日後には。


「ねえウソちゃん、どこか行きたいところとか、したいこととかない?」

「うーん……ぼくは、なぎさといられればいいよ」

「…もーウソちゃん答えてよぉ」

「だってぼく、外のこと知らないんだもの」


僕が頬を膨らませたら、ウソちゃんはマコちゃんみたいに困った笑顔を浮かべた。

ぞっとした。僕、祓えるかな。ウソちゃんのことはもちろん好きだけど、それ以上に成仏させてあげたい。

でも、今みたいにマコちゃんと同じ表情をされたら――


「なぎさ?」

「っ!な、なあにウソちゃん?」

「ぼくね、やっぱりなぎさとごろごろするのがすきだよ」

「……そっかぁ。じゃあ今日はごろごろしよー!」


ウソちゃんはくすぐったそうに笑った。可愛いなあ、本当。霊じゃないみたい。

あと、6日。


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うそまこ、まさかの続きです。真琴全然出てこないのに、タイトルが!!!
次は出るかもかも
退魔師ネタとか、あんまり読まないから雰囲気でやってます(某・青の的な)


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