※真琴が酷い
中学一年生の冬に、ハルは水泳部を辞めた。俺もそれに追随するように辞めて、放課後はたまにハルの家に入り浸って宿題をしたり、保育園に通う兄妹を迎えに行ったりした。 どうして辞めたかは分からない。でも、少しだけハルの心に隙間ができたことは分かった。 ――その隙間に、少しでも俺が入れたら……。 その一心で俺はハルに尽くして尽くして、どろどろに甘やかした。俺が居なくなったら生きていけないくらい、俺だけで満足するくらい。 痛いくらいの証をつけて、俺はハルを幽閉したんだ。
でも、いつからだろう。無表情なハルの顔にも、少し疲れが出始めた。何かあった?どうしたの?と聞いても首を横に振るばかり。 そんな時は衝動を抑えきれずに、彼を乱暴に扱った。手酷くして俺のハルだと見せつけるように印をつけた。 彼は、何かを諦めたかのように、ジッと天井を見つめていた。
「ハル、と…?」 「ああ。ハルから聞いていなかったか?俺達付き合うことになったって」
純粋に、朗らかに笑う凛は、まるで過去の事を無かったように振る舞っていて、俺は、俺は――
気づいたらハルを玄関のところで組み敷いていた。彼はそれを予測していたのか、ただ黙って行為が終わるのを待っていた。 そして全てが終わったあとに、涙が彼の頬をスッと滑り落ちた。途端に、彼への罪悪感が押し寄せてきて、俺は逃げるように家へ帰った。 嗚咽を漏らしながらトイレへ駆け込む。息が荒くなって視界がぐにゃぐにゃに歪む。便器を抱えるようにして、朝に食べたものを全て吐き出す。口の中は酸っぱくて気持ち悪くて、何もかも嫌だった。 ハルは自由になれた。だけど、俺は一人で――。
「愛してた…」
その言葉は、あまりにも遅くて俺には不似合いなものだった。
Collar (君に首輪をつけたつもりだった)
Song by VALSHE ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ はじめてゲスな真琴を書いてみました〜〜最後らへん悲しくなった……幸せな二人を書きたい(泣)
Kageちゃんから「シャチ系男子の本領発揮ソング」的なことを言われて勧められて聴いてみました。
最初は真琴自身をあまり理解していなかったせいか、よくわからなかったのですが、段々と「なるほどな〜」といった感じで分かってきました。
Collarという単語は首輪という意味で、依存(首輪を付け)させるつもりだったんだけど、依存し(首輪を付け)ていたのは、自分だったー的な解釈です。 Clematisという曲はわたし的に、まこりんみたいな曲だと思いました。りんりん視点でうへへへ
もし誰かが死んじゃったら他のみんなはどうするのか想像するのが楽しみです。死ネタはつらくなるから書きたくないけど書きたい……(._.)
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