まこはるまこネタの詰め合わせ
「じゃーん!見てみてマコちゃん!」
渚が得意げに突き出してきたものを見る。普通の焼き菓子っぽいな。意図が分からずに首を傾げていたら、渚の眉間に皺が寄る。
「もーマコちゃん読めないの?こ、れ!」
「えーと……マ、コロン…?」
「そうマコロン!なんか可愛くない?」
「可愛くない」
何かと思えばマコロンって。馬鹿にされた気分、というか馬鹿にされた。ちょっとムカムカしていたら、今まで黙っていたハルが口を開いた。
「マコロン……可愛いな、響き」
「でしょー?マコちゃんより、マコロンの方が断然いいよ」
「よくないって!」
「マコロン…」
「ハルまで……!」
その日俺は一日中マコロンと呼ばれ続けた。終いには怜に「まこっ…マコロン先輩……!」と顔を真っ赤にされながら呼ばれた。ここまで来ると呆れしかない。
「久しぶり、凛」
「おう、マコロン」
「…凛のバカ!」
「は、はあ!?」
俺はあのマコロンというよく分からないお菓子を一生許さないと誓った。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 綺羅さんからのネタで。 実際にマコロンというお菓子があるそうです。パサパサしているそうな
俺の日課はハルを迎えに行くことだ。本人は必要ないと言い張るけど、迎えに行かなきゃ学校に来ないかもしれないという不安が募る。 昔は、立場が逆だったのに。
いつものように勝手口から入って、脱衣場を覗いたら何もなかった。普段の光景が消失してしまったようで、俺はひどく狼狽した。 どうして、なんで、ハル…! ハルが居なくなっちゃったのかもしれない。静寂が俺を攻撃してくる。怖い、朝なのに。 逃げるように二階へ上がると、ハルの部屋が目に入った。そろそろと覗き見れば、薄い毛布が山のようになっていた。 馬鹿みたいだ、あんな慌てて。誰もいなくてよかったと未だに震える手を押さえつけて、その山に近づいた。
「ハル、朝だよ。遅刻するから起きて」 「んん…や、だ……」 「ほら早く」 「やだ……真琴、さむい…」 「……もしかして昨日、薄着で寝ちゃった?」
昨日の夜は少し肌寒くて、薄手の長袖を着て寝たのだけれど、ハルはいつも通りに半袖ハーフパンツで就寝したようだ。 今朝もまだ秋口なのに寒い。本当、ハルは寒いのが苦手だなあ。冬はマフラーをぐるぐる巻きにして登校して、教室に入ってからもそのままの状態だったな。 先生や俺に言われて、渋々といった様子でようやく外したぐらいだ。もし言わなかったら、ずっと巻いていたかもしれない。
「ほらハル、起きなよ。遅刻しちゃうって」 「いやだ…さむい」 「もう……。少しだけ我慢してよ」 「…………………」
何も言わない山の脇に腕を差し込んでみる。わ、あったかい。ハルはそれが気に入らないのか、俺に向かって足を突き出してきた。 ……もう、優しくしようと思ったのに。 何かのスイッチが入って、毛布からぴょこんと飛び出た足を掴む。ひくり、と山が動いた。
「いいよハルは起きなくても。俺が連れて行ってあげるから。そうだなー例えば……お姫様抱っことか」 「起きるからやめろ!」 「えー起きちゃうの?」 「いいから、はな、せっ真琴……!」
必死なハルの表情に満足した俺は、掴んでいた足を離した。あ、ちょっと赤くなってるや。
「ごめんねハル、赤くしちゃって」 「……別に、いい。ま、まこと……っ!?」
ちゅ、と赤くしてしまったくるぶしに唇を寄せた。気休め程度の行動に、ハルは顔を恥ずかしそうに背けていた。
「……ね、ハル。やっぱり遅刻しちゃおっか」
こんなに可愛いきみを見過ごすわけがない
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ この話は、真琴はシャチ系男子なんだから、少し乱暴な一面も見たいなあというわたしの願望のかたまりです。元ネタはKaGeMyaちゃんから。
第二段をまた書きたいと思ってます。溜まったら一つの短編として別サイトにアップしていこうかな〜〜
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