時々、躊躇うことがあった。水に触れているハルの手を握ったら、ハルが火傷してしまうんじゃないかって。 もちろん今までだって、これからだってハルが人に触れて、火傷することなんてないだろう。 でも、怖いんだ。冷たいハルの手に、触れられなくなることが。
「……と…、真琴」 「はる…?」 「起きろ真琴。遅刻する」
ハルの支度を待っていたら寝てしまったようだ。慌てて時計を見れば、もうすぐ柚子が階段の下に来る時間だ。 立ち上がろうとした時に、ハルがこちらをじっと見てきた。どうしたのだろうと思って「なあに?ハル」と呼んでみた。 すると、ハルが屈みこんで手をこちらに伸ばしてきた。恥ずかしくて思わず目をつぶったら「真琴…涙出てる」と言われた。
「なみ、だ?」 「ああ……泣いていたのか」 「そんなこと――」 「おせえぞ七瀬ー!」
どたどた!と寝癖のついた髪で柚子が飛び込んできて、顔が近い俺達を見て固まった。 柚子は、「な、な……!」と声にならない言葉を口に出している。あ、真っ赤になった。
「柚子、うるさい」 「だっ、てお前!まこ、真琴に!!」 「……ハル、柚子。学校行こっか」 「お、おう」
今なら柚子が、見ていない。不服そうなハルの顔へ、宥めるように唇を寄せた。 驚いてこちらを見るハルが可愛くて笑っていると、柚子がこっちを赤い顔で「いちゃつくならよそでやれ!」と一喝してきた。 …ハル、恥ずかしいからって柚子を睨まないであげて。 そっと触れたハルの顔は、俺が火傷しそうなくらい熱かった。
熱を帯びた君
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ まこはるって素敵。でもりんりんが入ったらもっと(わたし得で)素敵。
怜ちゃん、たしかに可哀想だよなあ……でもりんりんさんも、泳げなかったらあのまま退部して腐っていそうだし…。 でも何となくだけど、怜ちゃんは気づいていたのかな〜と思いました。凛は鮫柄じゃなくて、遙たちと泳ぎたいことを。怜ちゃん、ほんと男前だわ…。
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