「……なんで、ここにお前がいんだよ」

「それはこっちのセリフだ」


イルカの形を模したビニール製のアレを持つハルに遭遇しちまった。クソ、今日は厄日だな。一緒に来た似鳥や部員の姿を探すが、見当たらない。……はぐれたようだ。チッ。

改めてハルの方を向くが、コイツも真琴や渚、江にブーメランメガネがいねえ。ああくそ、めんどくせえなァ。


「チッ。邪魔すんなよ」

「…………」

「…………」

「…………」


ずんずん歩く俺の後ろからハルがぺたぺたと素足で歩く音が聞こえる。ああくそうぜえ。苛立ちを隠しきれないまま、振り向けば奴もピタッと止まった。……なんだこれ。


「だあああッ!!ついて来んなよウゼえ!お前はピクミンか!!」

「ピクミン…懐かしいな」

「…………チッ」

「別に、俺はお前に着いて来ているわけじゃない。そこにプールがあるから」

「……そーかよ」


なんか、ムカつく。プールごときに負けた俺の立場はなんだろうか。真琴より渚より江よりブーメランメガネより……下、なのだろうか。
俺が悶々と考え込んでいたら、ハルが白い手で腕を掴んできた。何がしてえんだよ。真意を測ろうと目を見るが何も分からねえ。真琴ってやっぱりすげえな。


「凛、行くぞ」

「は?行くぞって、お前、待てって…っ!」

「遅い、もっと早く歩け」

「んなこと言っても、っ!?」


ただでさえ滑りそうになる足は地面を掴まずに虚空を掴んだ。思わずぎゅっと目をつぶるが、背中には何も痛みが走らない。あれ…?


「ッ、ハル……!」

「お前……本当プールサイドを歩くのが下手くそだな」

「……っせえよバーカ」

「ほら、行くぞ」


ああくそ恥ずかしい、あんなにハルの腕は逞しかったか。どっかの少女漫画みたいに助けられて、ふわふわしてる自分にヘドが出る。


「流れるプール…」

「ん」

「……おう」

「凛…お前軽いな」

「うっせ」


ハルに手を伸ばされて嬉しかったのは絶対表情に出したくねえ。緩む頬に喝を入れてひんやりと冷たい水に足をつける。


「凛、早く来い」

「はいはい」

「これに掴まれ」

「……は、なんでイルカに。お前のだろ、それ」

「いいから、早く」


まったく理解できねえハルの指示に、眉間に皺を寄せながらも従う俺は超優しい。あー流れるプールもいいな、なかなか。


「このままずっと回ればいいのに…」

「何か言ったか」

「なんもねえよ」


何も考えずにただひたすらハルと水の中で漂い遊泳する。まるでハルみたいに海獣になっちまいそうだ。
俺の心情を察知したのか、ハルは柔らかい笑みを浮かべた。……なんだよそれ、んな表情もできんのかよ。


「凛、きもちいいな」

「……おう」


君と漂流したい


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
元ネタ提供はKaGeちゃんです。ただひたすらに流れるプールで流れるはるりん。まるで流しそうめんみたいだねとコメントしたら、なんて言ったっけな……
流しそうめんだったら、遙凛をつゆで美味しく頂けますね!!!

間違えて最終回のキャプチャを一枚だけ見てしまい、更に推測がだいたい合っててブルーなわたしでした。


わたしの推測→りんりん天使に戻る、転校してくる(私立から公立ってできるのか不明だけど)
ドラマCDの1をようやく聴けましたが、御子柴部長がかわいい…清凛ないんですかね!!!ていうか御子柴部長で何か書きたいな!!!マイナーかもしれないけど!
わたしの予想……妄想だと爽やかでしっかりしてるけど、ちょっと策士で腹黒そう。やべえ、御子柴部長がいいかんじに攻めてる…攻め主か受け主か……!


とりあえず二期!二期プリーズ!デュラの二期はもう諦めたから……二期こい!!






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