お前は、よく俺をコドモ扱いした
【コドモ以上オトナ未満】
俺が×に告白したのは、彼が中3の時であった。その時、彼は目を見開き、凝視して、俺の真意を測ろうとした。 そして、×は男からの告白に引かなかった。何故かと聞くと、決まって彼は『ああ、緑間だからだよ』と微笑むのだ。
何時だって彼は、俺をコドモ扱いした。
「……卒業したら×の大学に進むと決めたのだよ」 「どーしたよ真太郎?」
お前らしくねえなあと×は困ったように笑った。こちらとしては本気で考えて出した答えなのに、一笑されると何故か少し……いや、かなり苛立った。 俺は未だに笑い続ける×の唇を、無理矢理ふさいでやった。幸い、ここはカップルがよくたむろする夜景スポットだ。暗がりでよく分からないだろう。
「っは、しんたろ…いきなり何すんだよ…!」 「俺は本気だ」 「……あのなあ、俺は…真太郎と同じキャンパスに通えることは嬉しい。けどな…」 「それならばいいだろう」 「そういうことじゃなくて!あーもう、ちょっとは俺の気持ちを察しろ馬鹿!」 「……わからないのだよ。教えてくれ」
耳朶を噛みながらそう囁くと、×は黙り込んだ。照れるとこいつはよく黙り込む癖がある。俺は少し気をよくして、彼の肩甲骨を撫でた。
「だから……真太郎は、もっといい大学にいけるだろ」 「それだけか」 「それだけって…!俺は、お前の将来を考えてだな!」 「ふん、俺は人事を尽くしている。もちろんお前にも」 「もう……」
珍しく大人しい×の頭を撫でる。
「そういう意味じゃなくてな、緑間なら東大だって夢じゃないだろ。何もわざわざレベルを下げて、俺んとこの大学に来なくてもいいんだぞ」 「俺は少しでも多くの時間を×と共有したいのだよ」
ダメか?と聞くと、×は顔を伏せて「んなこと聞くなよ」と蚊の鳴くような声で言った。 ×の左手を手に取り、優しくキスを落とす。恭しく持ち上げ、不安に揺らぐ彼に告げる。
「同棲しよう」 「は?えっ……本気で…?」 「俺は冗談が嫌いだ」
少し高圧的に言うと、×は観念したように「ったく」と呟くのだ。そして、俺は自分より少し小さい年上の彼を抱きしめた。
「×、ずっと一緒…なのだよ」 「おう」 「ふっ」 「って、馬鹿!ここ野外で、っ!?」 「×が可愛くて抑えきれないのだよ」 「ちょっとお前、【アッー♂】
また来年逢おう、この星で。
→→→→→→→ たーなーばーたーなんちゃらーっていう童謡がありますよね。覚えてないけど。
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