引きこもりくんと赤司くん
「おい、×××」 またアイツが来たようだ。ほんと暇なんだな、アイツ。 「開けてくれないか。話がしたい」 おれは話はしたくないから開けない。無視無視。 「……開けないなら開けるぞ」 は?しまった、つい声を出してしまった。ていうか、おれの声、ちっちぇー。 「×××、居るんだな?なあ、開けてくれよ」 ……嫌だ。 「…なんで、開けてくれないんだ……」 …………お前、ウザいんだよ。ちょっと付き合いが他より長いからって、そういうの、お節介なんだよ!うざったいんだよ! 「すま、ん……。お前のこと、考えてなかったな…」 なんでお前が泣いてんだよ……。確かに、今のは本音だし、でも…。 「ごめん、ごめ…ん。俺、もう来ないから」 は?ちょっと、おい…。 「気が向いたら、学校来いよ。お前が信用すれば、周りだって信用してくれる。俺を無理に信用しろとは言わない……。だから、まあ、これで最後だ」 …………帰った、か?今日はあっさり引いたな。おれの言ったこと、アイツを傷つけたのか…?分からない、分かりたくない。 ああ、もう何も考えたくない。寝てしまおう。
赤司が自殺したという知らせを聞いたのは、彼が死んでから3日後のことだった。
「なんで開けてくれなかったんだよ……赤司」
お前しか開けられない扉だったのに
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