悪童×神童

俺の通う中学には、神童と呼ばれる成績優秀で容姿端麗な奴がいるらしい。
何でも、物事が柔らかく男女問わず好かれていて、一部にはファンがいるらしい。

(アホくせえ)

と、まあ俺も最初は馬鹿にしていた。しかし、それはその神童と呼ばれるほど完璧な奴に会うまでの感想だった。

「あなたが花宮真くんですか?」
「そうだけど、何か用?」

教室にて、俺を呼び出した女子。顔立ちは整っていて、雰囲気は聰明そうだ。

「先生がプリントを」
「ありがとう」
「なぁに?真ちゃんのかのじ……あら、新堂ちゃん!」
「こんにちは、実渕さん」
「やだやだ、さん付けしないで〜玲央ちゃんでいいから!」
「実渕さん」
「んもー新堂ちゃんのイケずぅ」
「しんどう?」

相変わらずうるさいな、実渕は。しんどうと呼ばれた彼女に抱きついて、正直なところ可哀想だと思った。
しんどう、という名字に何故か『神童』という単語が出てきた。仕方ない、同じ読みだしな。

「もしかして、神童っていうあだ名?」
「? あだ名というか、本名ですよ」
「ああ違う、違う。神様の神に、児童の童」
「………ああ、それですか。でも、私は新堂という名前で呼んで欲しいです」

ニコリと笑う彼女に実渕はまたもや「きゃ〜かーわーいー!」とぎゅうぎゅう抱きついた。

「分かった。ありがとう、しんどうさん」
「いえ」
「じゃあねえ」

彼女の背中が見えなくなったところで、実渕は俺の右腕を掴み、耳に囁いた。

「真ちゃん、ずいぶん気に入られたわね」
「は?」
「プリント、ご覧なさい」
「なっ…!?」

プリントの名前を記入する欄に『花見真ちゃん』と書かれていた。普段は飄々とした態度を取る俺だが、思わずそれをギュッと握りしめた。

「しんどう許さねえ……」
「うふふ、よかったわね」
「よかねえよ」

ここから俺と新堂の確執が始まる瞬間であった。


マコちゃん書きにくい!!!!!






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