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「………なんだこれ」

綺麗に掃除された寮内。
どでかくて清潔な食堂。…カフェが何故あるんだ。自販機、喫煙所、風呂はいくつも目に入った。
シャワーは1部屋ごとにあるってのに。

(私立ってすげーな。)
えーと…そうそう
柏木先生の後を追いながら寮内を見学していると、あっきらかに校則違反の金髪が目に飛び込んだ。

「カッシーそれ誰」
背が高く肩幅も広いそいつは柏木先生に目線をやりながら俺に向かって人差し指を向けた。

(指差すなよ…つーか爪長いな)

「カッシー…って誰かなぁ長谷川くん…?」
にこりと笑うのに、眉間のシワとこめかみの怒りマークが消えない。黒い。オーラが黒い。

(柏木さん…怖ぇ…)
本能が叫んでいた。

「あー悪ィ悪ィ。えーと柏木センセ?そこのかたはどなたで………あ。」

長谷川とか呼ばれていた青年は俺の顔を覗き込んで目を見開いた。

(………なんだよ)
うっとーしいなぁと思って眉を寄せた。

「柏木先生。この人…」
「新任の梶原先生。1、2年生の英語を担当されるんだ。まだ教師歴浅いからサポートしてあげてね。」

淡々と俺の紹介をして、彼は俺に視線を落とした。それをなんらかの合図だと受け取った俺は一歩足を前に進めて、

「よろしく」
女の子向けに磨き上げたスマイルをたたき付けた。

「…どーも。」
するり、と俺の右側を通って去って行った。

(はぁ!?)
ギッと振り返って睨むと、そいつは金色の頭の後ろで手を組んで、うっれしそーに口笛を吹いていた。

(……………俺あいつ嫌いかも)



 



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