発した自分でさえうるさいと感じる笑い声が
山本の部屋の壁に反射する。
「あーくそ、全然勝てねぇっ」
どたっ、と仰(あお)向けに倒れた。
「どんだけ弱いんだよ。わざと負けてんじゃねーだろーな」
追いかけるように山本も床に背中をつけた。んなわけあるか、とにらんでやる。
「マジかっ!本気でこのレベルかよ」
「俺はこのゲーム初めてやったんだよ」
「嘘つけお前持ってるって言ってたじゃん」
(…なんでいちいち覚えてるかな)
「…このコントローラー古いだろ」
「おいおいついに機械のせいにすんのかぁ?」
「だってこんなに負けるのおかしーだろっ!」
ははっと、山本の肩が揺れた。
室内はみっちりと沈黙に飲み込まれた。
床ははじめ つめたくて気持ちよかったのに、10秒も横になっていればあたたまってしまった。
太陽は日差しとなって、部屋の中でもカーテンの隙間をぬって俺達を攻撃する。
さっきまで俺達の髪を揺らしていた扇風機の風は、寝転がってしまった俺達の上空を通り抜けていく。
時間がゆっくり流れていくような錯覚が俺達を包んでも、
時計の針は急かすように規則正しい音をたてる。
彼はぽつり、
心の声をこぼしてしまった。
「 つまんね 」