「な、…んっ…」
ちゅく、と吸い付くような水音を聞くとやっぱり体がぶるぶる震える。
「清水」
「っん、…ふ…」
顔の向きを変える、口づけの一瞬の隙に俺の名前を囁いてまた唇を合わせる。突き出した舌で俺の唇を数回撫でてからかうようにしながら、俺のネクタイを引き抜いた。
『キスしながら服脱がすのって難しいけどめちゃくちゃ楽しい』と長谷川が言っていたのを、ふと思い出す。できるだけ深く深く絡ませ合い、つぷ…と溢れた液体が顎を伝わって光った。
「んん、っ」
頭の中がぐらぐら沸騰するような感覚に翻弄されながら俺は桜場のシャツを縛られた両手で必死に掴んで押し返そうとする。そんな俺の抵抗すらも楽しむように彼は鼻で笑った。
俺をひどく馬鹿にする
俺にくどいほど愛を囁く
その口は口づけをやめようとはしない
「清水…」
「っ」
びく、と体が跳ねた。吐息と共に聞こえたかすれた低い声は恐ろしく、その、あれだ、色っぽかっ…た。
「っわ」
耳をべろりと舐められ、反射的に声が出る。
「…清水の弱点」
「っ…!」
かあぁ、と頬の温度が上昇する。
(あぁもう、桜場の誕生日企画なんかするなよな!)
やり場のない怒りを感じつつ、
「弱点じゃ…ねぇ」
「へぇ」
(ムカつくぁっ!)
「離せ変態ホモ教師っ!」
足をバタつかせ両手をねじった。
「こら、手に痣がついたらどうする」
「んな心配するなら外せっ!」
「外したら逃げるだろ」
「に、…逃げね、よ」
「本当に?」
「…あぁ!」
(騙して逃げてやる!)
「じゃあ清水はオレに抱かれたいんだな」
「…はっ?!」
「違うのか?」
「ちげぇよ馬鹿か!!誰がお前なんかに…!あ、ありえねぇっ」







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