有り得ないくらいデレてみた




「さ、桜場っ」
「清水?」
蒸気のあがりそうな清水の頬に触れると、彼はぴくん、と肩を震わせてうるうると光る瞳でオレを写した。

「ありがとう」
「何がだ?」
オレの誕生日に祝われるのは理解できるが、礼を言われるようなことはしただろうか?

「清水…?」

「ありがとう、桜場…生まれて、来てくれて」

「…!」
清水の手がオレの肩に置かれる。どくん、と心臓が強く鳴るが、全身が凍ったように動かず見開いた目で清水を見つめることしかできなかった。
「さく、らば…好きだ…」
なぜだろう、抱きしめたくてたまらないのに体が動かない。
あぁでももういいのかも知れない。清水が自ら口づけてくれるなら―――







「っ桜場ぁ!起きろっ!」
「いっ!?」
「あ、起きた」
「おま、頭蹴るやつがあるか…!」
「だって呼んでも起きなかったじゃねーか」
「…って、清水」
「あ?」
「キスはどーした」
「まだ寝てんのか?」
「…いや、『生まれてきてくれてありがとう』ってお前が…」
「大丈夫か?ん?」
「…あぁ、夢オチか…」

「なんの話だよ」


 







「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -