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「いやこれくらい大したことじゃない。あと、それから」
「えっ?」
「そこ綴(つづ)りが間違ってる。教師のくせに常用単語もわからないのか。」

(おいおい)
「あ、ほんとだ」
一条の言葉に反応してクラスの誰かが同意する。
緑色の黒板に白いチョークで書かれた見ただけでくらっとするようなローマ字の集合体の羅列の中の一体どこにミスがあんのかなんて俺は探す気にもなれないよ。

「あ。」
「あれのこと?」
「マジかよいっつもケアレスミスする奴の気が知れないって言ってるくせになー」
「自分がやってんじゃん」
「あれまー」
クラス中からはくすくすという笑い声に混じって刺ある言葉達が小さなボリュームで飛び交う。
…まぁ俺も立花さんは苦手だけどここまで言われると可哀相な気がしないでもないな。


 


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