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「…………」

一条は"ぱちくり"と目を見開いた。男らしいくて整いすぎたその顔にはそれがとんでもなく似合わなくて、とんでもなく間抜けだった。

「…大間違い、か」

低い声。なんだかもっと恐ろしい返答をしてくるのかと思ったらただのおうむ返し。少しほっとした。

「…あぁ、さっさと空いてる席に着けよ」
出来るだけ早くお願いしたいもんだ。教室中からの視線を受けるなんて、なんのプレイだ。

(よくもまぁこんなの堪えられるなっ)
美形じゃなくて良かったと少しだけ思えた。なんだか嬉しい。

「…わかった」
「…え?」
一条はくるりと振り返った。今度はおうむ返しではなかったけど、さっきの3倍ほど意外な言葉。

(なんだ、思ってたより話わかる…)なんて思っていたのは束の間。

「そこをオレの席にする。今すぐにどけ」
「え、ぇえっ」
「…………………」

アホが餌食になった。


 


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