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一条への態度がおかしいのは立花さんだけじゃなかった。

「お、おはよう一条くん」
なぜか先生方はアイツをみると不器用に笑う。一方の一条は

「あぁ」とか「どうも」とかぼそりとこぼすように返すだけで、機嫌が悪い感じの時はそれすら言わないで無視することもあった。
どうでもいいと言ってしまえばそこで終わりなんだけどなんだか知らないが俺はアイツに目をつけられてしまったらしく、無視できない。

「達也」
「…!」
いつの間にやら俺の名前をきちんと覚えてくださって、そりゃもうびっくりな美声経由で口から出す。
変な感じの"どきっ"がうっとうしったらありゃしない。ときめいたときの明るい鼓動じゃ全くもってなくて、それと反対といっても過言ではないようなレベルの嫌な予感。だってさ…こう言っちゃあ申し訳ねぇけど、俺、一条嫌いだから。

「…なんだよ」
一条に視線を送ることはしない。いや、あの顔みてたら文句言えなくなるっつーか…文句言うの前提なのはスルーしてくれ。


 


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