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フ、とそれはもう楽しそうに口元を歪める数学教師が、憎くて。ああもうなんだコイツどうやったらこの男を世界から抹殺できるんだろうって本気で考えた。少し頭を後ろにもたげてから、

「っんなわけあるかっ!!」
「――がっ!?」
頭突きをお見舞いしてやると、ゴッと鈍い音がして桜場の体が大きく後方に傾いた。びりびりと俺の額にもたぶん桜場とほとんど変わらない痛みがする。

「…痛いな」
「ざまーみろばーか!!」

俺の体を挟むようにして膝を立て、桜場は少し赤くなった額を押さえて俺を睨んだ。

「…やっぱそっちのほうがお前らしいな」
「っな、」
痛い思いさせてやりたかったのに、なんで喜んでるんだよ。
「まぁ…オレはどんなんだろうとお前を愛してるんだが」
(!!??)
「――は、な、さく、ぁ、あ、あいっ!?」

俺は桜場に向けた人差し指をぶるぶる震わせながら口を開け閉めした。

「同様しすぎだ」
「っ、」
くしゃりと笑ったスーツ姿の桜場は、ちゅ、と幼稚なキスを落としながら俺の右足の膝裏に手を滑りこませた。
(え!?)
ぐいっと持ち上げて、足を開かせる。

「ちょ、な、」
恥ずかしさに目を見開いたら、桜場の黒い頭が俺の足の間にあって
「い、嫌だ 桜場、待っ」
両手で黒髪を掴んだ。ぎりぎり引っ張って、やめないとハゲさすぞなんて思っていたのに

「っ…ぁ…!」

熱が下から 上を這う。
暑い 熱い アツい

「い、嫌だっ…て、っく、んぁ、ッ…!」

体が勝手に震えて
体を前に倒して、頭押し返してやりたいのに、力が、入らない。
桜場の息遣い。時々苦しそうに喉をならす。

頬に、なんか冷たいもの。
(あ、俺泣いてんのか)

なんだこの音。気持ち悪い。
「っあ…はぁ…ッ」
誰の声だ これ。いや、俺のだけど。一体どっから出てんだよ。
閉じようとしても、足を桜場は離してくれない。
「うぁ…ッ!」飲み込まれ、た。
「っ…!?」
(馬鹿か、なんでこんなことすんだよ)
息、出来ない
(気持ち悪ぃだろ、やめろよ。いい加減にしろよ。)
心臓、痛い
肺が仕事サボってるんだけど。
 
「ぅん…っは、く…ッ」


声が
嫌だ
なんだこれ
馬鹿みてー
気色悪い
がくがく、膝、が
苦し い。

 



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