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『じゃーオレもう行くから。』
『おう。頑張って来いよ』

そういって部活に向かう後藤を見送ったのが2時間前。現在の時刻は9時20分。桜場との待ち合わせ時間は10時だけど
…遅れるより早いほうがいいってことで。もちろん、『はやく行きたい!』とかでは全くない。『部屋で時間が経つのを待つのはそわそわして落ち着かない』とかでもない。
…絶対に無い。
(…よし、行くか!!)
自分のベッドの上に腰を下ろしていた俺は、桜場との待ち合わせ場所へ向かうことを決心し、勢いよく立ち上がった。―が、いったん足を止めて洗面所へ。
(…み、身だしなみのチェックは必要だよな…っ)
そこにはめずらしく私服を着た自分がいて。ジーパンにTシャツ。その上にパーカーはおっているだけの…正直デートへ向かう気合いの入った服装とは言いがたい格好。それでも一応、ジーパンは後ろのポケットのトコに模様ついててカッコイイような気がしないでもないし、Tシャツは山の中から一応ブランドのロゴが入ってて自分が気に入ってるものを選んだ。
俺なりに全力は尽くしたということだ。

(…あーもー、仕方ねーじゃんっ!ほとんど出かけねーんだもん。しゃれた服なんか持ってねーよ!!!!)

少しだけ曲がっていた前髪を右手で直す。
(―よし…!!)

いざゆかん

デートというなの
戦場へ!!!!


 



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