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(この質問に深い意味なんてねーけど!!)
「っか…」
(ほんとに意味なんかっ…)

深い意味なんてないはずなのに。何でこんなに心臓の鼓動が激しくなっていくんだろう

「っ…や、やっぱいい」
(あーもうあーもう)
激し過ぎる自己嫌悪が降り注ぐ。度胸ねぇなぁ…
「…清水。」
(っ!)
…ほら。やっぱり
(まただ…)
桜場に名前を呼ばれると全身が硬直してしまう。
「1度言葉に出したら最後まで言うのが礼儀だろう?」
(…なんじゃそら)
桜場はあまりにもいつもとかわらない。嬉しいような。むかつくような。歯がゆい感情が渦巻く。
(お、俺だっていつも通りだっての…これくらい、普通に聞けるし…!!)
「…んだよ…」
「ん?」
俺は耳まで赤く染めてあさっての方向を向いた
「か…軽くないんだったら。っ…何なんだよ」
「…え?」
桜場は目を見張った。
この質問に。意味なんてない。自分がどんな答えを期待しているのかもわからない。
「…っなーんちゃって。ぁ、あはは、あは。ごめん何言ってんだろうなー俺。」
(馬鹿だ…桜場困ってんじゃん。何変なこと聞いてんだよ…)
でもさ、だって。桜場はさ、俺のこと―…

「清水」
「え?」

桜場は
右足を俺の立っている段のひとつ下にかけて、軽く体を前のめりにして。左手で俺の右肩をつかみ
「何…」

唇と唇が触れあった。

僅かな温もりを感じた数瞬後、桜場の舌が俺の口のなかに入ってきた。
「っん…っ!?」
(え!?え!?)
桜場の長い舌はごく当たり前のように俺の舌を絡みとった。

「っふ、んん…っ!!」
感じたことのない感触に俺はびくりと体を震わせた。拳で桜場の胸をたたく。それが俺のできる精一杯の抵抗。

「っ…ゃめ、んっ…」
 



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