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目をこすりながら時計で時刻を確認する。
「…まだ5時じゃねぇかよ…」
後藤に無理やり起こされたせいで気分が全く上がらない。
(顔洗ってくるか…)
そう思って向かった洗面所にはすでに先客がいた。
「…あ、おはようございます」
「ん、おはよう」
そう答えたのは梶原。
…あの日の一件以来、どうにも気まずくて仕方がない。

(梶原…同じフロアの部屋だったのかー…)
俺は無意識に梶原をじろじろと見てしまっていたらしく、向こうから話しかけてきた。
「朝、いつもこのくらいの時間に起きてんの?」
「いえ、今日は早めに目が覚めただけです」
「ふーん」
どうでもよさそうな返事。まあ別にお互いのことなんか知ってもどうしようもないけど。

俺は早くこの場から立ち去りたくて急ぎめに洗顔と歯磨きを済ませた。出ていこうとすると梶原がまた話しかけてきた。

「…おととい、なんであんなところにいたわけ?」
不意を突かれて思わず心臓が大きく跳ねる。

「…特に理由はないですけど」
「じゃあ桜場先生とはいつ会ったんだ?」

間も開けずすぐに再び質問してくる。
「俺が部屋を出てすぐ…です」

「…あと一つ。お前、光一のことどう思ってんの?」

 



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