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(―…!!!!)

低い声が響いて
さわがしかった教室が静まり返る。

もしかしたら
俺の心の声が聞こえたんじゃないかと錯覚してしまう。

今朝とは違った綺麗なスーツで、髪もしっかり整えられている。

「っさ、さく…」

うまく声がでない。
(なに動揺してんだ俺!)
「清水」
「ぇ!?あ、はい…?」
「暑いのかもしれんが
身だしなみが悪くなるのはいただけないな。」
桜場は冷たくそう言った。
「っす…スミマセン…」
俺はそそくさとボタンをとめた。ネクタイをしっかりと締め直す。
(…に、2時間目…数学だったのか…)
桜場は目を細めて俺の周りにいる奴らを見回し、
「…お前らも!!くだらんことでいちいちさわぐな!!」
珍しく声を荒げた。
(桜場が…怒った…)

『…はぁーい…』
俺の周りにいた奴らはバラバラと離れて行く。
「…悪かったよ清水」
後藤が小さく言った。
「え?あ、ああ…」
「っか〜ムカつくな桜場っ!」
長谷川は不機嫌になってしまった。
(…助け…られてしまった)
「…ったく…次の時間は自習にする。課題プリント置いとくからやっとけ。」
教卓の上に大量のプリントをたたき付けた。
そして 俺をみて
「―清水…ちょっと来い。」
と言った。心臓の鼓動が激しくなっていったのがわかった。
「…は、ハイ…」
先を歩く桜場の数歩後ろをついていく。

(…今朝の話、だよ…な…?)



 
 



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