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―次の日―
教室の窓から光が差し込む。暖かい春の日差しだ。
「しぃ〜みぃ〜ずっ!!」
「ぅわっ!?」

机に突っ伏して寝ていた俺に、後藤が後ろから抱き着いてきた。

「っあぶねぇなっ!!小学生じゃねえんだからこういうのやめろよ!!!!」

俺が声をあげると
後藤は口を尖らせて言った。
「うるせーな。お前が悪いんだろぉ。オレにいつも『居眠りなんかしてんじゃねぇよ。アホってのは病気だな』って言ってんのお前じゃんか」
「…そんなこと言ったか俺…」
「言ったね。」

…途中に俺のモノマネをはさむ必要はあるのか。
「…離せ。男同士で暑苦しいだろ。」
「はいはい」
そう返事をしたあとすぐにさっきまでよりずっと強く後藤は俺の腹を締め上げた。
俺はそれにわざとらしく「ぐぇえ〜」と返す。すると後藤はあっさり離れた。

「…清水らしくねーな。授業中に居眠りなんて」
(う…)
やはり後藤はするどい。
「…っき、昨日はよく眠れなかったんだ!」
「…ヘェ…なんかあったのか?」
明るかった声が急に男らしく低くなる。…心配してくれてるのかもしれないがこのことには触れて欲しくない。
「な、なんもねーよ!!ほっとけ!」
俺は立ち上がりながらそう言った。


 



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