「桜場っ!!…っ、いいかげんにしろよっ…!!」
(シラフのときならまだしもっ…こんな 酔っ払いに…っ)
「…っ!!!!」
(―て)
いくら桜場が酔っ払っているからといって『シラフのときならまだしも』と思ってしまった自分に心のなかで激しくつっこむ。
(あほか俺は!!酔っていようがいまいがどっちにしろ駄目に決まってんだろ!!!!ふざけんな!!!!)
そして、ちらりと桜場をみる。相変わらず顔は髪に隠れて見えない。
それがなぜだかすごく嫌で
(…あれ)
もしかして、
このまま最後までされてしまうんだろうか。そんな不安が頭をよぎった。女の様な扱いをされて桜場に―…
(い…嫌…だ)
考えると泣きそうになった。こんな、何もわからないまま、流されてしまうのが怖かった。
(嫌だ こんなの、絶対嫌だ!!)
桜場をみると体を少し起こしていた。
(まだ、逃げられる…!!)
「…っさく…―!?」
俺の声が途切れた。
桜場の体が前のめりになったからだ。そして 俺の首もとに顔をうずめた。
「ッ、やだ、さくらばっ!!」
(嫌だ 怖い 怖い…!!やめろよっ…!!!!)
「―ッ!!!!」