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そしてまた朝が来た。

「おはよう」

「あ、お、おはよう、ございます」
今日初めて出会った教師が視界に一瞬入って来てすぐに出て行った。まぁ俺が目をそらしたんだけど。
(だってほら、なぁ…)
梶原を見るのがなんだかこう申し訳ないっていうか、こう…なんだかものすごい罪深いことをしてしまったんじゃなかろうかと思うんですはい。

「おっはよう梶くん!」
「!」
(長谷川…!?)
今日、俺は寝坊していた後藤を部屋に残して一人で教室に向かっていたわけだけど、聞き慣れたはずの低く男らしい声はなんだかへらへらしたような聞いたことのない変な明るい口調で、長谷川のものだと正直思いたくない。
(気持ちわ…じゃなくて、驚いた。つかまず"梶くん"ってなんだよ)
無意識のうちに俺はその声のほうをみてしまった。

「あーもーうっとうしいな!なんなんだお前は」
「はぁ?挨拶してるだけだろ?なんでそんな不機嫌なわけ」
「ヘラヘラヘラヘラしやがって。馬鹿にしてるのが見え見えなんだよ。敬語使え。けいご!」
「あーごめんなさいね梶くん」
「梶くん言うな!」

「…騒がしいぞお前ら」
(!)

突然、梶原の背後から現れて、不機嫌ですと言うように顔をしかめる男。

桜場 光一 だ。

 



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