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俺の通う流星学園は都内にあるが、周りを山や森に囲まれている。それで外部との接触はほとんどない。
大きな土地にテニスコート
野球場
サッカー場
学年に1つの体育館
など
言い尽くせないほどの設備が整っている。そのためこの辺で部屋を借りるより圧倒的に寮生活のほうが快適だ。

だから教師のほとんどが寮の空き部屋でくらしている。桜場もその1人ということだ。

しかも2階にすんでいるモンだから…ときどき出会ってしまうわけで。

「…しみ…ず…?」
(…あ、あれ?)

桜場が俺の名前を呼んで様子のおかしさに気づいた。

(酒くさい…?)

桜場はいくら寮の中でもつねにスーツにネクタイ。いつも戦闘体制でいる。
…なのに昨日着ていたのと同じスーツを着ていて
シャツは出しっぱなし。上から3つほどボタンが外れていてネクタイはゆるんでいる。

黒髪もくしゃくしゃと乱れていて顔もなんだか赤く染まっている。

黒ぶちめがねはいつもと変わらないけれど足取りはおぼつかない。

「おっ、おま…さ、桜場っ!!
酔っ払ってんのか!?
明日だって学校あんのにそんななるまで飲んでんじゃねーよ!!」


俺の声が廊下に響く。

(なんか…桜場じゃねえみてーだな…)

「…はぁ?だれがのんでんだよぉ…オレがのんでるわけねーらろぉが…」


いつもならほとんど変わらない桜場の顔。
髪で隠れて見えにくいけどにやにやと笑ってるようにみえる。

(き、気持ち悪い…)

本当は今すぐ逃げ出したいけど
ふらりふらりとよろけながら話している姿をみると倒れてしまうんじゃないかとハラハラしてこの場をうごけない。

「ーっ……だーもーっ!
わかった、肩かせよ、部屋まで連れてってやっから!何号室だ!?」

桜場の腕をつかもうとすると、…なぜか振り払われてしまった。

(…え)




 



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