見えない引力
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あいつが来たのは春だった。
冬休みももうすぐで終わるという時だった。
隣に引っ越して来たあいつは明るくてうるさくて、私たちとは正反対。
その上ストーカー。
平気で家に侵入(奨ちゃんや京ちゃんが入れてた)するし、……だけど、それでも憎めない奴だった。
はっきり言うところや人懐っこいところとかは好きだとは思う。
弱さを見せないところはもう少し人を頼れとか、私が思うほどだった。
そんな奴が、どうして私? なんて当然に思う。
一回、たった一回会っただけなのに好きだと言ってきた彼。
最初は、「ごめんなさい」としか答えることが出来なかった。
でも、一緒に過ごすうちに、言われる度に、その気持ちが嬉しいと思い始めた。
ストーカーだけど。
私は恋愛感情で好きになっていた。
奨ちゃんや京ちゃんも好きだけど、家族愛とか以外の感情。
何故かストーカーを好きになっていた。
そんなこと、絶対に言ってやらないけど。