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▼ 三つ目

「よう!!!」


元気に私の前に姿を現した人物を見て、私はノートパソコンを閉じる。
「…お久しぶりですね。」
「ちゃんと俺の事覚えてたか。よしよし。」

腕を組んでうんうんとうなずくその人に遅れる事数秒、慌てたようにクイーンさんが現れる。その後ろにはジョーカーと、長髪の少年。

「ナマエくん!大丈夫かい!?なにもされてないかい!?不快な思いはしてないかい!?お師匠様!!ナマエくんに絡むのはやめてください!!!」
「ああん?絡んでねぇよ!久々の感動の再開を果たしただけだ!」

「「『久々の再開?』」」
ぴたりと動きを止めるクイーンさんと、声をそろえるジョーカーとRD。
長髪の少年は興味なさそうに、RDの分身であるぬいぐるみのしっぽを掴み振り回している。『目が回ります!!』「あ、ごめん。」なんてやりとりをしているのが、微妙に面白い。

ずかずかと上がり込み、どかりとソファーに腰掛ける皇帝。
私も向かい合った席に腰を掛けるが、クイーンさんとジョーカーは立ち尽くしたままだ。
ジョーカーはともかく、クイーンさんのこんな姿は珍しいな。
『すみませんナマエ。皇帝にトルバドゥールを開けるよに脅さ…いわれて。ナマエを驚かすからいうなとも命れ…お願いされて。』
相変わらず本音を隠すことがへたくそなRDについつい笑ってしまう。「大丈夫だよ。」と伝えると、コホンと咳払いしたクイーンさんが、私の左側、無言のジョーカーが右側に腰掛ける。二人が私を守るように両端に座り、さらにおかしくて笑ってしまった。
長髪の少年は、皇帝さんの後ろにたち、キョロキョロとトルバドゥールを見渡している。

「で?お師匠様とナマエ君はどういったご関係で?」
「おいおい。昔の男事情を詮索するのは嫌われるぜ。なぁナマエ」
「ちょっと、昔の男感だすのやめてくださいよ。」
『ちょっとナマエ、どういうことですか私聴いてないです。』
「RDも今の男感だすのやめて。」
「ねぇ先輩、キッチンとか見てきてもいい?」
「え、別にいいですけど…。」

ちょっとまってここ自遊空間すぎない?
というか長髪の少年はキッチンに興味があるの?なんで?
私はため息を吐いて、先程開けかけたキャンディーの袋を破る。
いったん落ち着こう。

「おいずるいぞ俺にもそれくれ。」
なんてジトリとした目でみてくる皇帝の口に、キャンディーを突っ込んだ。

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