たとえ届かない人だとしても | ナノ
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▼ 嘴平伊之助は彼女についてこう語る。


俺の子分だ。あいつは。権八郎も、紋逸も俺の子分だ。
まぁあいつは、ちょっとだけなんだが懐かしい感じがする。
あいつだけじゃなくて、しのぶも、どこかであった事がある気がする。

この間ハナコからもらった小せえ粒。あれがうまかったから、またもらおうとしたら、いい子にしたらあげるとか言いやがった。
子分のくせに。まあ、俺様はすごいから、一日二粒ほどは貰えてる。どうだ。すごいだろう。

そういえばあいつ、不思議な感じがするよな。
鬼と戦う時のすげぇいやな感じに似てる。
たまにだけどな。たまに。
お前鬼なのか?って聞いたらぶん殴られた。
あの野郎。いつか殴り返してやる。

普段はいやな感じはないぞ。なんか、あいつの横はほわほわする。前にどこかで感じた事ある気がするだけど、思い出せねぇ。
いつもは笑ってるあいつだけど、なんでかいきなり、煙みたいに消えるんじゃないかって、なんかすげー嫌な予感がするんだ。

 

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