たとえ届かない人だとしても | ナノ
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▼ 長男とは


「機能回復訓練?」
「そうです。ミョウジさんはそんなに大きな怪我がないので、今日から早速訓練に参加してもらいます。」

ニコニコと話す胡蝶様とは対比的に、私の表情はみるみる青ざめていく。
柱の提案する訓練とは、そう、地獄という事をこの一年でよく知っていた。
脳裏に浮かぶのは、師範との恐ろしい…失礼、ありがたーーーーい修行。

「ミョウジ、俺たちもそのうち一緒に参加するから。先に頑張っててくれ。」
申し訳なさそうに言う炭治郎。彼ら三人の体はボロボロだ。
「ああ。先に始めておくよ、君たちは怪我を治すことが最優先だ。それと…」
「どうした?」
「私の名前。ミョウジナマエって言うの。よろしくね。炭治郎、善逸、伊之助…そして、禰豆子ちゃん。」

日の当たらない部屋の隅に置かれた木箱に視線をむければ、
炭治郎は驚いたように目を見開き、いつもの優しい笑顔を向けてくれた。

「ええええええナマエちゃんって言うの?!!よろしくねナマエちゃん!!!!!!!!!」
「お前もぶれないな。騒ぐと腕縮むぞ。」
「ええええええ縮むの???!」
「嘘だあーほ。」
「ハナコよろしくね。弱くてごめんね。」
「いやハナコって誰だよ。」

うん、仲間がいる。だから頑張れる。

そう、思ったのだが…



「え???二人は??」
炭治郎と伊之助が先に合流し、遅れて善逸も参加。
善逸は誰よりも訓練に張り切って参加していたのだが…

訓練を始めて数日がたったある日、なんと伊之助と善逸が訓練をボイコット。
仲間がいるから頑張れるぞ!と数日前のやる気にあふれた私をぶんなぐってやりたい。
やはり信じられるのは己のみなのか…?


そんな私と違って、炭治郎は二人にも教えてあげるんだと意気込んでいた。
いい子過ぎない?そう言うと『俺は長男だから』と笑っていたが長男関係なくない????
 

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