たとえ届かない人だとしても | ナノ
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▼ 仲間


「炭治郎!伊之助!善逸!禰豆子ちゃん!」
師範から破門されなかった喜びから、感情のまま走って3人の病室に行くと、そこは阿鼻叫喚だった。


「ねぇ俺薬飲んだ!?ねぇ飲んだ!?」
「ごめんね、弱くてごめんね。」
「善逸!落ち着け!伊之助も!そんなに落ち込むんじゃないぞ!」

なんだここは。
思ったよりも元気な三人の姿に、失礼ながら笑ってしまった。
伊之助にいたってはどうした??


「!ミョウジ?ミョウジか!聞いたぞ、ミョウジも那田蜘蛛山にーーーー」


こちらに気づき、振り返った3人がいきなり静かになるものだからびくりとする。
なんだよ。こわ。

「おん、な?」
「あ。」
わなわなとふるえる善逸に血の気が引く。
しまった。お面は師範にとられ、いまは寝巻きで晒しも巻いていない。

「えええええ女の子だったのおおおお!?なに!?俺女の子と藤の家紋の家で一晩過ごしてたのおおおおおお!?隣の隣の布団に女の子がいたのおおおおお!?」
「うるさ!きも!発想がきも!!」
「こら善逸、あまり大声を出すんじゃない!ミョウジも、気持ち悪いなんて言ったらダメだ!!」
「ゴメンね。男だと思ってて、ゴメンね」
「ひぇっ伊之助もきもい!」
「こら!ミョウジ!」
「ふ、ふふっ」

堪えていた笑みを、もう隠す事をせず、私は声を上げて笑った。
そんな私にきょとんとする三人の顔を見て、さらに笑みが零れる。

みんな生きている。それが本当に嬉しかったんだ。
 

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