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「名前〜?遊びにきたよ」
「あっ、ハルカちゃん!待ってたよ」
ひらひら手をふると読んでいた本をおいて、空色のベッドから名前が降りる。アチャモとミズゴロウ、キモリがちいさくプリントされたふかふかのカーペットも、すっかり慣れてしまったなあと思いながら丸いテーブルの前に座る。
「いつもありがとうね、ハルカちゃん」
「私が好きできてるから、気にしないでいいわよ」
扉のノック音がしたら、名前のお母さんが飲み物とクッキーを持ってきてくれた。美味しそう!
「名前、なに読んでたの?気になるかも!」
「これだよ」
「なになに…。ず、図鑑?ポケモンの?」
「うん。実際に旅へはいけないから…こうやって本でシュミレーションするの!楽しいんだよ!!」
「わ、私こんな分厚い本読めないかも…」
そうかなぁと呟いて名前が唇を尖らせる。あ、私名前のこの顔好き。
「…ハルカちゃんは、いつか旅にでるんだよね?」
「うーん、そうねー…。迷ってるけど…いつかはね!」
「そっかあ…」
名前が寂しそうにうなだれる。名前と一緒に旅ができたらなと考えるけど言わない。名前は昔からからだが弱くてなかなか外に出れないし、旅になんてなおさら。行けないのは分かってるけど、名前をおいてくのも一人で旅をするのも不安だなー。
「もし旅にでたら、手紙たくさん書いていい?」
「ほっ、本当!?」
「ええ!名前が良ければだけどね」
「…ありがとう!ハルカちゃん大好き!!」
照れちゃうかもと笑ってみせる。旅とか、目的とか詳しいことはまだ未定というか、分からないけど名前がいるし、今が楽しかったらそれでいっか。

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