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「まってーーー!」
ふわふわ飛んでいくムウマをだだだだっと追いかけていく。暗い洞窟をでる、もう少しでムウマに手が届く!
「ちょ、君!」
「あ?」
目の前にはムウマじゃなくて、人間、男の子がいた。あ、ぶつかr
「ご、ごめんなさい!本当にごめんなさいぃぃぃ〜!」
「い、いや…別にそこまで」
必至に涙目でへこへこ謝ると、少し引き気味に許してくれた。よく見るとその子はやけに小綺麗な男の子だった。目がきりっとしていて、少しカッコいいかも。ぱっぱと服についた砂ぼこりを払う。
「ああああの、なにかお詫びをっ!!」
んー、と男の子は少し考えるそぶりを見せて、あ!と言った。
「名前、となんでそんなに急いでたのか教えてよ」
「そんなことでいいの?…えっと、名前は名前」
「名前、ね」
嫌な気はしないけど、いきなり呼び捨てだった。
「実はさ、ムウマを追っかけてて…」
「ムウマ!いいね、名前、いいセンスしてるよ!ムウマはcute、その進化系のムウマージはbeautiful!!」
突然きらきらと目を輝かせ興奮気味に手を握ってくる。ところどころに英語を交えてるし。なんだか変わった子だな。
「…なんだけど、見失っちゃった」
「へぇ…。ムウマ、一緒に探してあげようか?」
思いもしない返事がかえってきた。え?と思わず聞き返してしまった。
「ん?だから、一緒に」
「いや、そうじゃなくてっ!だって、そんな…」
「だってさー名前と一緒にいたら、楽しそうだし」
(ね、いいでしょ、いいよね。じゃあ行こうか)
(えっ私返事してなーい!)