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わたしは昔、悪いことをしたらしいのです。いえ、したからこうやって石に閉じ込められていたのです。人間は怖いです。しかしその人間を怖がらせたのは紛れもなくこのわたしです。だから仕方がないのです。他のピカチュウやパチリスといった、人間に好かれるようなポケモンにはなれません。何故ならわたしが悪い悪いミカルゲだからです。ミカルゲは悪者です。だから人間はみんなミカルゲが嫌いです。仕方ない、です。
わたしは一人の人間と出会いました。その人間は名前といいました。人間は私を捕まえました。そんな馬鹿なと、わたしは起こったことを疑いました。ミカルゲなんて悪いポケモン、捕まえない方がいいからです。きっと人間はみんなそう思っているのです。なのに何故でしょう。名前はわたしを手持ちにいれました。一緒に旅にいこう、と笑いました。
ミカルゲは可愛いね、カッコいいねぇとわたしを褒め倒しました。なんだか恥ずかしくなりました。褒められるようなポケモンではありません。名前は不思議な人間です。でもわたしは名前が嫌いではありません。名前の為なら強く一生懸命に戦えるような気がしています。