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「なあ、名前」
「なあに?ジュンくん」
「おれたちおおきくなったらさ、けっこんしよーぜ!」
「…うん!名前、ジュンくんすき!」
「おれもー!!」
.........
「………変な夢みた」
確かに思い出してみれば結婚しようねなんて馬鹿な約束をしていたような気がしないでもない。ていうか多分した。あの頃私はジュンが大好きだった。それが恋愛なのか友情なのか分からないけどジュンと遊ぶのは好きだったし楽しかった。行っちゃいけないのに湖に行ったりして怒られたっけ。いつもお互いの家を行き来して、誘うのはジュンだったり私だったり。行くのが遅いと罰金百万円だ!って言われた。
「…忘れよ」
顔を洗ったけど、なんかまだ眠たい。私はごろり、布団を頭までかぶった。慣れてるけど、シンオウの朝は寒い。もう少しぬくぬく温かい布団にくるまれていたいのだ。どうせお隣のジュンは昔みたいに来ないしていうかいないし、ゆっくりしよう。
「おおーい!名前ーっ!!」
はっきり私の名前を呼ぶ声。そうだ、この声は
「早くこーい!罰金百万円だぁぁぁぁぁっ!」
懐かしいあの幼なじみ、だ!私は自分がパジャマなのもシンオウの朝は寒いのも忘れてばっとベッドからでて凍るように寒い世界に飛び出した。
「っ、なに!?」
「おー、久しぶりだな!」
ジュンは長い間旅に出ていたんじゃなかったの?いつ帰ってくるか分からなかったんじゃ。
「お前との約束を果たしに帰ってきた」
「…約束?」
冷たいジュンの手が私の手をつつむ。ジュンのことだ。家より先にこっちにきたんだろう。
「俺と、結婚してください」
断ったら罰金百万円な、と笑うジュンに、私には約束を破る選択肢なんてないのだ。

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