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「ねぇ、ボクの酸素になってほしいんだ」
虚ろな顔をしてルビーがぽつり呟く。
「人間は酸素がないと生きていけないんだ。ボクだって同じようにね。だからボクの酸素になってくれないか」
「じゃあルビーはあたしの酸素になってよ。そしたらあたしもルビーの酸素になってあげる」
ルビーはにこり、笑って「もちろん」あたしの手をとり、にぎった。
ああそうだね君は弱い人間だものいいや人間が弱いのかなよく分からないけれど君は硝子みたいにがらがら崩れていっちゃうから一人でいちゃだめなんだその赤い瞳から汚れのない水滴が情けなく落ちていくのは別にみてて楽しくないよそうだねボンベみたいにお互いの息と言葉を吸い合おうかそうして一緒に息絶えようよだって吸わなきゃ死ぬんだもの仕方ないそうやってずっとずっと死ぬまでお互いの傷を舐め合おうどんなに深い傷ができてもあたしが舐めてあげるから心配しなくていいよあたしがいなくちゃ死んでしまうくらいに君がいなくちゃ死んでしまうくらいに依存しあえたらそれってきっとこの上ないくらいにハッピーエンドだ