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「うわっ!」
「きゃっ」
向こうの女の子にぶつかりかけたところ彼女のエンペルトが阻止しようとでてくる。私は止まれない。そのまま彼女のエンペルトに止められてすいませんと一言。
「い、いえ。私もちゃんとみてませんでした。すいません」
女の子はなんだかきらきらしていた。髪もきれいでなんだか気品があってお嬢様みたいだ。可愛い人だなあなんてじろじろみてたら相手もこちらをみていた。
「あ、えっと」
「すいません。知人に似ていたもので」
知人って、どんな?ときくとにせっかちな人ですと言った。というか、似てるというのは性格のことかな。私第一印象せっかちか…。まぁ仕方ないかな、うーん。
「…決めました!あなた、私についてきなさい」
「えっ、あ、はい!?」
いきなり命令口調でついてきなさいって何事なの。この子のキャラがいまいちつかめない。
「あなたはぶつかってきました。お詫びをするべきですね?なら私についてきなさい」
えっ、さっき私も悪かったって言ったよね、言ったよね!?だけど女の子の顔をうかがうと私に選択肢はないようだ。むしろなにか言うことも許されないのかもしれない。
「さあ、行きますよ。お名前は?」
「えっと、名前です」
「そう、名前。いい名前ですね」
それだけ言ってそそくさと歩いていく。え、ちょっとちょっと!
「あ、あなたの名前は?」
「私、ですか」
女の子は少し迷ったあと、私の目をみて言った。その言葉をいった顔があまりにもにっこり顔だったので私はなにも言えなかったのだけど。なんてよべはいいだろう…。

名前は教えません

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