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どんどんという、大きく扉を叩く音で目が覚めた。ぼんやり覚めきらない目で時計をみると8時。まだ寝ていたい。寝よう。しかし扉を叩く音はやまない。やむどころか余計にうるさくなっていく。
「ああもうでればいいんでしょ!」
しぶしぶ階段をおりて扉をあけると
「よーっす、名前!でかけるぜ!」
ハイテンションな幼なじみがいた。
「無理。眠い。私まだ寝るから、じゃあ」
早口でまくしたて、扉を閉めようとする。が、ジュンがそれを許さない。ぐぎぎと言いながら手で必至に閉めるのを阻止する。
「なんだってんだよー!オレの誘いを断ったら罰金100万円だからなーっ!?」
「はいはい、おやすみ」
バカにするなーッ!!とジュンが声をあげる。近所迷惑というのを知らないのか、こいつは。
「あのな、30分以内な!遅れたら罰金だぜー!」
言うだけ言ってばたばたと帰っていった。お前は台風か。
まあいいや、すっぽかして寝よう。もう一度ベッドに向かおうとした足が、とまる。きっと馬鹿なジュンだから待っているんだろう。おせーなぁとか言いながら足をバタバタさせて口を尖らすジュンが目に浮かんだ。
「…もー、仕方ない」
そう呟いて大きく伸びると、私は早々と着替えの準備を始めた。

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