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白くてでかくてのぺーっとしてて無表情。
それがあたしの知っているコノハという人間だった。
コノハはコノハになる前、「遥」といったらしい。あたしは「コノハ」しか知らない。だから「遥」のコノハを知っている人が少しだけ羨ましいけど、でもいいんだ。
「コノハぁ」
「んー?」
相も変わらずぼーっとした顔でこっちをみる。…イケメンめ。
「やっぱり、コノハはさ、『遥』に戻りたいの?」
じっ、とコノハが少し考える素振りをする。そして、ゆっくりと口をひらく。
「…戻りたいかもしれない。でも、」
「でも?」
「戻ったらきっと、名前の好きな僕じゃなくなる。から、このままでいい」
真顔でそう言うコノハに少しだけ赤面する。聞いたのはあたしだけど、まさかこんな返事が返ってくるなんて思わなかった。
「だいじょーぶだよ!」
「え?」
「あたしはコノハが好きだもん。どんなコノハでも、コノハはコノハだから!あたしは『遥』のコノハでも大好きだよ!絶対!!」
ね!と笑って見せると、コノハもつられてうん、と笑った。
きっと生まれ変わっても、60億…今は70億くらいかもしれない。でもきっとその70億分の1の確率を当てることができる気がするのだ。あたしとコノハなら。

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