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セトがいつもお花を大事にしているのを、私はしってる。バイト先でも真面目に仕事してるみたいだし、私は素直にすごいなあと思う。そんなの言えもしないけどね。
「あ、名前!」
「おはよ、…花」
あ、これ?と私が気付いたのが嬉しそうににこにこ笑う。
「バイト先で買ってきたんスよ!きれいッスよね」
別に。可愛いげのない刺々しい言葉が口から零れた。またやってしまった。だけどセトは嫌な顔をすることもなくただひたすらにこにこしている。
「うんうん。名前も花、好きッスよね」
「…あんまり好きじゃない」
「やっぱり!花が嫌いな人なんて、なかなかいないッスよね」
はたからみれば全く会話が成立してない。けど、これが通常運転だ。
「花が好きなんて、女々しい。セトに似合わない」
「え、…なんか褒められると恥ずかしいッスね」
ははっと声をあげて笑う。別にそこまで褒めてもないんだけど、と思ったのは悪い癖なんだろう。
「セトは弱いし服もダサいし口調変だし頭悪いし、だめだめだから」
セトといても楽しくないんだから。ぶっきらぼうにそう言うと、やっぱりセトはにこにこ笑うだけだった。……見透かされてるのが悔しい。


天の邪鬼の言うことはひっくりかえしちゃおう

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