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「みつけた!馬鹿ルビー!」
げっ、いかにも嫌そうに真っ青な顔をした想い人がそこにいた。
「もう、馬鹿馬鹿ほんとにバカっ!なんで勝手に出ていっちゃうのーーー!」
力任せにぽかぽか、と言うよりドスドス殴る。そのたびにルビーがうわっと声をあげる。
「いたっ、ちょ、やめてってば!」
「いつの間にか、そんな可愛い鼻水ポケモンまで!」
「鼻水ポケモン……!?確かにZUZUはあんまり…むしろ全っ然美しくない!not beautiful!でも鼻水ポケモンなんて…」
「いちいち英語をまぜるその癖、気に入らないのよ!それに自分の手持ちによくそんなこと言うわね!」
「気に入らないならそれでいいさ!僕には関係ないし!」
なによ!なんだと!の言い合いはずっと終わることはなく、かれこれ道路で10分くらい喧嘩していただろう。
「ストップストップ!もうこれ以上はやめよう」
「ちょっと!私はまだ、」
「その前に名前に言わなきゃいけないことがある」
なによ、言わなきゃいけないことって。今更謝ったって、許さないんだから。
「まず、ごめん。君になにも言わずでてきて」
…そんなにしんみりしなくても、そんなに頭を下げなくったっていいのに。プライドの高いルビーのくせに。
「好きな子に、心配をかけたくなかったから。でも逆効果だったみたいだね、本当にごめん」
なにが逆効果だったみたいだね、よ。なにが好きな子に心配をかけたくなかったからよ…。
「…好きな子?」
「スルーされるかと思ったよ」
はは、とルビーが笑った。ちょっと、こっちは笑うような場合じゃないんだけど。
「もっかいきくけど、ルビーの好きな人って、誰」
「僕のZUZUを鼻水ポケモンっていったせわしない女の子」
こんな時まで嫌味をいうルビーが嫌いでもなかったりする私もかなりの馬鹿だ。