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「ユウキくん」
「なに?」
「あのね、ユウキくんは好きすぎてその人を殺しちゃいたいって、どう思う?」
「…なんだそれ」
いかにも訳がわからなさそうにユウキくんが顔をしかめた。
「好きで好きで大好きで、愛していて、その人を自分だけのものにしたくて、他の人に触られたくない見せたくない。私だけのものになってほしい。…こんな理由で、その人を殺すのって、どう思うのかなって」
「なんか、変な話だな」
「そう、かな」
「だって、普通は好きならずっと一緒にいたいと思わないか?なら相手を殺すなんておかしい」
「それは違うよ、ユウキくん。ずっと一緒にいたいから」
「……?」
「人がずっと一人を愛し続ける保証なんてない。むしろ別れにつながる方が多いわ」
「…確かにそうかもしれないけど」
「なら、愛し合ったかたちで終わる方が、私はうんと幸せ」
まあ、と前置きして、ユウキくんは「名前の言うのも、まぁ」と言った。
「…嬉しい、わかってくれるの?」
「分かるっつーか、二人が愛し合ってるなら」
ああ良かった。これを聞きたかったの、ユウキくん!ユウキくんは私の考えを理解してくれた、一理あるんじゃないかと。ユウキくん、大好き。ユウキくんユウキくんユウキくんユウキくん………!!ああやっぱり私、ユウキくんが好きでたまらないみたい。ユウキくんを私だけのものにしたいっていつも思ってた!
「じゃあ、ユウキくん。私たちは愛し合ってるよね」
「変な名前。あたりまえだろ」
「そっか…。ねえ、ユウキくん。私、ユウキくんを自分だけのものにしたいの。愛し合ってる綺麗なかたちで終わらせたい」
きらり、銀色の刃物が光った。

Please give me a life.
(命をくださいな)

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