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「やっほ、ズルズキン」
紙袋を抱えて今日も名前がきた。ある日からこいつはずっと毎日毎日オレのところにあらわれるようになった。雨の日、こいつが雨宿りしにきて、ズルズキンもひとりー?などと話しかけてきた。オレは大体は返事をせず時々頷いたりするだけだったが、何を思ったのかその日からずっとオレのところにくる。
「いやー、さっきおばあちゃん助けたらお礼にって、ほら!りんごとモモンの実!」
名前のもっていた紙袋を覗きこむと中にはどっさりのりんごとモモンの実。
「ほら、あげる」
モモンの実をひとつ、差し出す。チッひとつかよケチくせーな。
「なんだよその顔!欲しがったらまたあげるって」
…こいつエスパータイプか。
いただきまーす、とオレの横に勝手に座ってりんごを食べる。許可した覚えはねーぞ。
「旅をしないかって、よく言われるんだけどさあ」
「……」
「ここが、一番落ち着くんだ。…もちろん、ズルズキンが嫌だったらでてくよ」
オレが嫌って言うわけないって分かってて、わざとそんなこと言うな。

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テーマ「人外ファンタジー」
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