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「キド」
「…なんだ」
そっけなく、ふいと顔を背ける。キドは私をいつまでたっても見てくれなくて、なんでかというと、私がうざったいから。嫌いだから。おそらくはこのふたつだろう。キドが私を嫌いで、私もキドが嫌いならそれでいいのだけど、残念ながら私はキドが大がつくほど好きだ。好きすぎて、おかしくなっちゃいそうなくらい、好きで好きで好きで好きで仕方ない。なんでこんなに好きなのか、何処に惹かれたのか。第一にあげられるのはキドが私を救ってくれたことなんだと思う。それなら、カノやセトだって。でも、きっとキドは特別で、私の中でおおきな存在なのだろう。じゃあキドにとっての私ってなんだろう。多分ただのうるさい一人。キドの中で、小さな小さな小さな存在。頭の隅っこ、時々しかでてこないような星よりも小さな私なんだろう。キドは私がいなくなっても困ることも嘆くことも、ましてや涙を流すこともないだろう。ああいなくなったのか、くらい。もしかしたらいなくなったことに気付くこともないのかもしれない。そう思うと、なんだか悲しくなったし、いなくなりたかった。キドのまえから消えてしまいたい。そしたらキドは私を探してくれるのかと私はまた期待してしまうのだ。

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