小説 | ナノ


 なまえがグラウンドで体育の授業を受けている。その様子を窓際の自席から見ていると、不意になまえがこちらを見上げて手を振った。マスクを下げて、べ、と舌を出すと、なまえは笑って、同じように舌を出した。
 バレーをするなまえの動きはどこかぎこちない。それは、俺のせいで身体中アザだらけだから。込み上げる笑いをマスクの下に隠して、次は直接この手でなまえを殴るのもありかもしれないと思った。馬乗りになって、殴って殴って殴って……。そのまま犯してしまおうか。そうしたら、なまえはどんな風になくのだろう。




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