高遠 | ナノ
二階の相談室へ行くと,元塾生の茂呂井君が死んでいた。側には毒針付きの回答冊子が落ちている。どうやら上手くいったようだ。
中屋敷君の推理も,無能刑事の推理も外れ。さすが高遠さんが考えただけあって,滑り出しから絶好調だ。合宿もきっとすごく楽しくなるんだろうな。
そう考えていたところへ,彼は現れた。
「聞いてる限りじゃこいつは無差別殺人なんかじゃない――れっきとした計画犯罪だ!犯人は最初から茂呂井ってヤツに狙いを定めて殺したんだぜ」
「はじめちゃん!」
「金田一!」
へえ,あれが噂の金田一君か。私は相談室のドアに凭れ掛かる人物をじっと観察した。
お目目がすっごくきらきらきらーとしている。それにかなり頭が切れるみたいで,マジシャンズセレクトもすぐに見破ってしまった。彼もさすがだ。死骨ヶ原で高遠さんのトリックを全部見破っただけのことはある。
合宿がいまから楽しみで仕方がなくなってしまった!
左目