高遠 | ナノ


 高遠さんに家まで送ってもらった私は,ああ楽しかったとソファに腰かけた。それにしても,何か忘れているような……。

「あ!恩返し!」

よくよく考えれば,というかよくよく考えなくても私は今日全く恩を返せていない。それどころかぬいぐるみまでもらってしまった!
がーんと落ち込みかけるが落ち込んだって仕方がないので止めておいた。恩はまた会ったときに返そう。なんせメールアドレスを交換したのだ。今度からは簡単に約束を取り付けることができる。
それよりもどうやって恩を返そうか。お目目……は本人が一番綺麗なのを持っているし,喜んでくれそうにないからだめだ。そういえば,眼球愛好者である私に興味があると言っていた。ならば自己分析したレポート……?

「レポートなんて嫌いだー!」

私はぼふんと勢いよくソファに寝転んだ。自己分析のレポートを書くぐらいなら死んだ方がましだ!と思ったがもしかしたら冗談では済まないかも知れないので取り消しておこう。
恩返しがこんなに難しいとは思わなかった。お目目を貰えるのはいつになることやら。そう思うと気が重くなった。まあ最悪の場合は……

左目
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