中編 | ナノ


 目を覚ますと午後1時を回っていた。さすがに寝過ぎた、と思いながら身支度を整える。宮田さんはこんな日でもお仕事なんだろうな。

「うーん」

 外に出て郵便物が届いていないか確認するついでに玄関前で伸びをした。今日も快晴、なんて空を見上げていると、
「こんにちは、市子さん」
と声をかけられた。声の方を見ると、真っ黒な衣服に身を包んだ求導師様がいた。私は頭を下げて
「こんにちは」
と返した。

「今日も暑いですね」

パタパタと手で顔を扇ぎながら言うと、求導師様は少し困ったような顔をして
「そうですね」
と言った。求導師様は、きっと私の何十倍も暑いんだろうなあ。私が求導師様だったら、きっと堪えられない。そういえば、宮田さんも白衣を着ていて暑そう。なんて考えていると、求導師様が
「すみません。帰るのが遅れると、八尾さんに怒られるので……」
と申し訳なさそうな顔をして言った。

「あ、すみません。さようなら」

また頭を下げると、求導師様も頭を軽く下げて帰っていった。
 なにかの帰りだったのか。それにしても大変だなあ。やっぱり求導師様ってすごい。


121109 この八尾コンめっ!



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