午前7時。突然目が覚めた。理由はわからないがちょうどよかった。今日は行かなくちゃ。と、思ったがやっぱり休むことにした。連絡をいれて二度寝。
今度は玄関のチャイムの音で目を覚ました。時計を見ると4時前を指していた。また寝過ぎた。
寝癖も直さずパジャマのままドアを開けると、なぜか求導師様の服を着た宮田さんが立っていた。
「宮田さん。その服、どうしたんですか?」
首を傾げて聞くと、彼は驚いたような顔をした。
「どうして私だとわかったんですか」
「だって、……」
だって……、あれ、なんでわかったんだろう。いまの彼はどう見たって求導師様に見える。勘? それとも好きだから? あ、いま私絶対顔赤い。恥ずかしい。というか二人は双子だったのか。思い返してみるとそっくりだ。と、考えていると、しびれを切らしたのか宮田さんがため息をついた。
「はあ……。いいです。また手伝ってください」
「え?」
一瞬、思考が停止した。宮田さん、まさか、求導師様を? なんで……。そんなの、ひどいよ。もうだめ。おかしいよ。これ以上――
「市子さん」
「っ」
彼の鋭い声に、肩がはねた。落ちていた視線を恐る恐る上げると、宮田さんは、理沙さんを殺したときのような、冷たい目をしていた。なにか、言わなきゃ。じゃないと、今度は、私が……。
「……ごめ、なさ……!」
なんとか吐き出すようにそう言うと、彼は薄い唇を歪ませた。数秒して、それは笑っているのだと気がついた。気がつくのと同時に、彼は踵を返し、家の前に停めていた車に乗った。私も急いであとを追う。
121114
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