宮田さんは私たちをここで待たせ、屍人を倒しに行った。
「あなたは?」
バス停に腰かけ先ほどの映像について考えていると、彼女が遠慮がちに尋ねてきた。
「なまえ、です」
「……なまえちゃんは、お姉ちゃんのこと知ってるの?」
「はい……」
俯きながら答える。そこへ、ちょうど宮田さんが戻ってきた。
「もう大丈夫です。行きましょう」
立ち上がり宮田さんの後を二人でついていく。彼をよくよく見ると、武器がラチェットスパナからネイルハンマーに変わっていた。様になっている。
そう思っていると、宮田さんは民家の勝手口の前で足を止めた。勝手口は少し開いていて、小柄な人なら入れそうだ。
「ここ、開いてる」
同じことを思っていたらしい。恩田理沙が言った。
「入ってください、理沙さん」
「えー? 私が入るんですか?」
ぐずりながらも中に入る恩田理沙。宮田さんはそれを確認し、この家の玄関へ向かった。
「理沙さん」
そして外から呼び掛けると、恩田理沙が玄関の鍵を開けて出てきた。
「怖かった……」
さすがに可哀想だと思い
「大丈夫ですか?」
と声をかける。彼女は力なく頷いた。
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